ラフ図からのトレース、3D CADへのモデリング事例です。
これは私達が受注した少しハードな事例を紹介します。
奇妙な依頼
それは一本の電話でした。
御社のHPを見て連絡したのですが、簡単な図面から3D CADにしてほしいのです。
大丈夫ですよ。ラフな図面でも各所に寸法が記載されていれば、3Dにすることは可能ですよ。用途を教えていただければ、ベストな方法もご提案できると思います。
私達は、仏具を作っているメーカーなんですが、それを収めているお寺さんからのご依頼で、いくつかの仏具を配置したイメージを立体的に見てみたいということなんです。
了解です。仏具のモデリングはまだ経験無いのですが、基本的にはトレースの元になる図面があれば大丈夫ですよ。まずは図面を送ってもらえませんか?
わかりました。PDFの図面がありますので、すぐに送ります。
というようなやり取りの10分後に、その図面は送られてきました。
??
それがこれです。
壮大な仏具の図でした。
肝心な寸法も一部の箇所のみ。。
すぐに受話器を取ります。
いただいた図面を拝見いたしました。私が思っていたものとずいぶん違いますが、すごいですね。これは仏壇ですか?
これは須弥壇(しゅみだん)といいます。
しゅみだん・・・ですか?
あまり詳しくなくてすみません。それで、各所の寸法なんですが一部にしか記載がなく・・・・、たとえばこの部分に『10mm』と書いてあるのですが
ミリではなく『尺』です。10尺です。
『尺』?ですか?
・・・了解です。それで、その他の部分の細かな寸法ってわかりますか?
それが、このような仏具はほとんど手作りで、基本箇所の寸法だけきめて、あとは職人さんの感覚で作っているので、細かな寸法が無いんです。それでも可能ですか?
まじか!
まあ、数箇所でもベースになる寸法がわかれば、それをベースに他の箇所はそれにならって寸法を決めてよいのであれば大丈夫だと思いますが。。
それと、私も勉強不足なのでこの須弥壇の写真があれば参考ししますので送ってもらえますか?
須弥壇はオリジナルなので、同じものは無いのですがイメージできる写真を送ります。
そして参考写真が送られてきました。
ぜんぜんわからーん!
お客さんにも悪気はありません。
そもそも同じものが無いのですから。
ここからはGoogleで数十枚の写真をピックアップして細部を研究し、少しずつ探りながらモデリングしていくしかありません。
少しずつ整理していく途中で、この須弥壇の周りを構成していくいくつかの細かな仏具の図面も送られてきました。
これをどうやってモデリングしていくんだろう。。
引き受けてしまったからにはなんとかするしかなく、やはりしばらくはGoogle画像とにらめっこの日々が続きました。
確かにまったく同じものは内容で、それでもなんとなく似ているものはいくつかあったので、それらを参考にすることにします。
寸法に関しては、記載のある箇所をベースにして、それ以外は等倍でトレースしていきました。問題は図面では確認できない細部ですが、これも類似写真から想像でモデリングしていきました。
そして約10日後、出来上がったのがこちらです。
少ない資料の割には、手前味噌ですが細部まできれいにモデリングできたと思います。
けっこう大変な作業ではありましたが。。。。
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この記事を書いた人
MAKERS DESIGN株式会社
代表取締役 橋本荘一朗
MAKERS DESIGNは代表自信の経験から、CAD図面作成コストを効率的見直し、従来の一般的な価格の50%の価格で提供している会社です。
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