CAD図面やその後の試作を外注するときに、個人だと引き受けてくれない?
個人だと信用度が足りない場合がある
実はこれ、よくあることなんです。
先日僕のところにも相談がありました。その方、Aさんは離島の消防士さんなのですが、近い将来独立して消防士用の消防具を販売したく、自分で金属の消防ホースの設計図を書いていくつかの工場を訪ねたそうです。
残念ながら、結果はすべての工場から断られてしまったそうです。
その後、僕のところにWeb経由で相談に来たのですが、よくよく話を聞いていみると以下の通りです。
- そもそもCAD図面がなく、パワーポイントで書いた寸法の記載がない線画のみ。
- 参考になる既成品の写真等もない。
- 離島勤務のため、顔を合わせて打合せができない。
ということです。
恐らく、CAD図面がない時点で工場はお断りするでしょう。ほとんどの工場は加工の際にCAD図面が必要で、逆にCAD図面がないと加工をしてくれません。
それよりも、この状況で発注主が個人ということであれば、90%の確率でお断りされると思います。その理由を簡単にお話します。
万が一のときの保証がない?
今回僕のところに相談にきたAさんの例で説明します。Aさんは、オリジナルの消防ホースを製作しようと思い、Webで検索したいくつかの工場に打診してみました。その時の状況は以下です。
- CAD図面がなく、パワーポイントで書いた寸法の記載がない線画のみ。
- 参考になる既成品の写真等もない。
- 離島勤務のため、顔を合わせて打合せができない。
さて、実際のAさんはいくつかの工場に打診しましたが、全て体よくお断りされてしましました。
仮に、どこかの工場がこの条件で請け負ったとします。そのとき、その工場がやらなくてはいけないことが
- Aさんにヒアリングして正確なCAD図面を作成しなければならない。
- 図面が完成したらAさんに確認してイメージしているものと間違いないか確認しなければならない。
- その図面を元に試作品をつくならければならない。
さて、ここまでの工場の持ち出し(工場側が先に負担する金額や労力)はどれくらいでしょうか。
本来は作業前にざっくりとした見積もり等も出せると思うのですが、この場合だと材料が少ないので、図面が完成するまでにどれくらいの時間(労力)がかかるかわからないため、概算の見積もりも出ないと思います。
仮に図面が出来上がったところで工場がAさんに
「ここまでこれくらいの費用がかかりました。」と言われたときにAさんからすると「思ったより高額だ。。」となった場合。
ここで、仮にAさんと連絡が取れなくなった場合、工場側はこれまでの作業賃を自社で負担しなければなりません。
相手が法人であれば、そのリスクも少なくなります。
要するに「取りっぱぐれがあるんじゃないか?」ということが個人の依頼が断られることが多い理由です。
個人でも工場に外注するためには
誤解を恐れずに言うと、工場は面倒なことが苦手です。
ですので、まずはCAD図面を用意するべきです。図面があるのと無いのでは全く違います。もしCAD図面が用意できたのなら、ここで最初のハードルは超えました。次に工場が必要とする担保に関してですが、ここまで来ると次の工程は用意した図面を元にした試作ですので、概算予算は提示してくるはずです。
その予算をデポジット(保証金)として先に支払ったらどうでしょう。いずれ支払う金額なので、先払いをするという約束であれば断る工場も少なくなると思います。
CAD図面の外注に関しても同じことが言えると思います。必要であれば身分証明書のコピーを渡しても良いかもしれません。
ここまで提案して受けてくれない工場があったら、それはそもそも取引をするのをためておいたほうが良いでしょう。(笑)
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この記事を書いた人
MAKERS DESIGN株式会社
代表取締役 橋本荘一朗
MAKERS DESIGNは代表自信の経験から、CAD図面作成コストを効率的見直し、従来の一般的な価格の50%の価格で提供している会社です。
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